[読書日誌]『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』
吉川祐介 著 [全7回]

Reading Journal 2nd

『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』 吉川祐介 著  太郎次郎社エディタス 2022年 1800円+税
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

[プロローグ]超郊外の限界ニュータウン [1/7]

ちょっと前のことですが、スマホで「限界ニュータウン」についての記事を読んだ。千葉県の北東部、北総エリアにかつて林立したニュータウンには、すでに荒廃して「限界ニュータウン」となっている場所がある、という内容だった。そして、ぼくが育った場所も、ちょうどその北総エリアのニュータウンである。だいぶ前に両親が東京に移り住んだためもう誰も住んでいない、しかも母屋はすでに取り壊されていて、小屋が立っているだけである。どうなっているんだろうか、もう20年も行っていない。

「プロローグ」や目次を見るとわかるのですが、この本は、単に荒廃した土地の探訪記というだけでなく。その土地で暮らすこと。その土地を活用することを含めた内容になっているようである。

っということで読み始めたが、今日(2023年1月15日)の読売新聞の書評欄にこの本が載っていた。


「プロローグ」では、著者が、八街に移り住んだ経緯、家探しをしながら限界ニュータウンをさまよい、それを、ブログに書いたこと、その反響などを書いている。(著者のブログはココ
著者が、八街に移り住んだ動機は、不便でも安く住める土地を求めてのことである。

二十代のころに千葉市で暮らした経験があり、八街をふくむ千葉県北東部・北総エリアは首都圏のなかでも地価が安い地域であるとの事前知識があったという、ただそれだけの理由である。(抜粋)

八街の賃貸住宅に身を置いた著者が、将来の安住の地を探して物件めぐりをする過程で出会ったのがこの「限界ニュータウン」だった。

区画割理の形跡や家屋の配置模様から、そこがたしかに分譲地であることはわかるのだが、家屋はほんのわずかに建つだけで、大半の区画が空き地の分譲地。
ほとんど管理もされず、もはや雑木林と化した荒れた宅地。
広大な畑のど真ん中や、鬱蒼とした杉林のあいだの細道の奥深くなど、意味不明はニーズに答えて開発された、常識はずれの立地。
・・・・・・・後略・・・・・・・(抜粋)

著者はこのような限界ニュータウンの状況をブログ「限界ニュータウン探訪記」に書き始めた。そしてのブログの反響は単に荒廃した土地の記録としてではなく、いわば一つの都市問題としてものであった。

目次 

[プロローグ]超郊外の限界ニュータウン [第1回]

1章 限界ニュータウンとはなにか
空き地だらけの「ニュータウン」[第2回]
荒れはてる共有地 [第3回]
交通利便性ゼロの立地
売りたくても売れない更地
[コラム]「限界ニュータウン」という呼称について
ずさんな造成がもたらしたもの
悩ましい水道・ガス問題 [第4回]
放棄される分譲地
空き地に立つ謎の看板
賃貸化は活路となるか
[コラム]地元の不動産会社社長に聞く
〈写真で見る限界ニュータウン〉

2章 限界ニュータウンで暮らす
現在の貸家に引っ越すまで [第5回]
限界分譲地での物件選び
暮らしの利便性をめぐって
住んでわかった特異な事情 [第6回]
共同インフラ問題を考える
[コラム]ニュータウンで生まれ育つということ

3章 限界ニュータウンを活用する [第7回]
親子二代にわたる活用リレー
定住者のいる限界別荘地
限界ニュータウンで小屋暮らし

[あとがきにかえて] 思いがけない暮らしの変化

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