『聞く技術 聞いてもらう技術』 東畑開人 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]
聞く技術 小手先編(後半)
今日のところは、前回につづいて「聞く技術 小手先編」である。話を聞くための質問についての小手先⑧「気持ちと事実をセットに」から。
⑧ 気持ちと事実をセットに
ここからは、話を聞くための質問である。
質問の基本は「詳しく訊く」に尽きます。(抜粋)
相手が気持ちを話している時は、具体的な事実を聞く、相手が事実だけを話していたら、気持ちを聞く。事実と気持ちがセットで語られるとき、心が伝わってくる。
気持ちを語っていたら事実を尋ねる。事実を語っていたら気持ちを尋ねる。これがしつもんのための小手先です。(抜粋)
⑨ 「わからない」を使う
「わからない」を使うは、小手先としては難易度が高い。突っ込んだ質問をするときに役立つ。相手の話がわからないときは、正直に「わからない」と伝える。
ただし、「わからない」と伝えることで、相手を否定してはいけない。それはあくまで自分と相手が違うところを明確にする言葉です。と尋ねてみると、相手は自分について語りやすくなる。(抜粋)
⑩ 傷つけない言葉を考えよう
話を聞いていて意見を言いたくなったとき、著者は、意見を言ってもいいとしている。
そして、そのとき小手先として「・・・と思うんだけど、どう思う?」と最後を疑問形にするとよい。
ここで、注意することとして5秒でなく10秒考えること。10秒「相手を傷つけない」言葉を考える必要がある。もし、相手を傷つける言葉しか浮かばない場合は、また「聞く」に戻る。自分の意見はまた今度でいい。
⑪ なにも思い浮かばないときは質問しよう
話を聞いていて、こちらの意見を問われるときもある。そのときは、きちんと応答する必要がある。問題は、いい意見がないときである。そういうときは、ちょっとまって質問をする。答えづらい質問は、質問している側も何を聞きたいのか分かっていないこと多く、ことらも質問の意図を測りかねている。
秘儀質問返し、これも大事な小手先です。
⑫ また会おう
小手先の最後は、「もう一回会うこと」である。一回話を聞いて物事が解決することはまずなく話は煮詰まってしまう。そういう時は一度時間をおくことが良い。その間に時間が仕事をしてくれる。
なので、うまく聞けないと思ったときは、もう一回会うことにする。
結局のところ、これに尽きると思うんです。名人芸みたいに聞くのがうまい人よりも、聞くのが下手でも根気強く時間を積み重ねてくれる人のほうが、最終的に頼りになると思いませんか?(抜粋)
小手先の向こうへ
以上が、話を聞くための小手先である。しかし、実はこれには問題がある。小手先を使えるのは余裕がある時だけ、余裕がなくなると小手先のことなど考えていられなくなる。
しかもね、余裕があるときには、小手先なんかなくても、僕らは人の話をきちんと聞くことができます。(抜粋)
世の中に流通する聞く技術の抱える根本的矛盾がここにある。だから、必要なのは小手先以上のことである。
では余裕がなくなるのはどういうときか?それは、相手との関係が難しくなっているときである。
関係がよければ話を聞けるし、関係が悪くなったなら、話を聞けなくなります。話が聞けないのは、技術がないからではなく、関係が悪くなっているからである。(抜粋)
問題は、相手との関係が悪くなったときに、どのようにして話を聞くかである。
答えはシンプル。
まずは聞いてもらう、からはじめよう。(抜粋)
コメント