動因モデルと誘因モデル
鹿毛雅治『モチベーションの心理学』より

Reading Journal 2nd

『モチベーションの心理学 : 「やる気」と「意欲」のメカニズム』 鹿毛雅治 著
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

第1章 モチベーションとは何か (その2)
4 プッシュ ‐ プル・モデル ― 押す力と引く力
5 動因モデルと誘因モデル

ここより、伝統的な「モチベーション理論」の説明に移る。まずはプッシュ‐プル・モデルからである。


4 プッシュ ‐ プル・モデル ― 押す力と引く力

モチベーションを押す力(プッシュ)と引く力(プル)によって説明するのが、「プッシュ ‐ プル・モデル」である。様々なプッシュ要因とプル要因によって行動が起こされると考える。しかしこのモデルは、モチベーションの説明としては単純すぎ「行為の始発・持続・方向づけ」(ココ参照)については全く触れられていない。

5 動因モデルと誘因モデル

これは、プッシュ‐プル・モデルの発展形である。
動因[drive]=「押す力」、誘因[incentive]=「引く力」である。

これらの概念を使うことにより、ウッドワースはモチベーションの存在を指摘した。彼は、人間の動きを「メカニズム」(=「一連の行動がどのように為されるのか」[howの問])と「動因」(=「その行動をなぜ為すのか」[howの問い])の2つを区別した。
ここで、この二つの機械を例にして、

メカニズムがいかに立派であっても、動力(電力など)が提供されなければ機械は作動しない。(抜粋)

と説明されている。

典型的な動因に欲求があり、その代表格が生理的欲求である。また、その他に興味なども主要な動因である。

「動因」は、「個人の内側から行為を引き起こす心理的エネルギー」を意味して、行動を引き起こしたり、行動を方向づけたりする。そして、その欲求が満たされることにより快の感覚(満足)が得られる。また、無意識の欲求もモチベーションを左右する。

一方、環境側からのプル要因は「誘因」という。

誘因とは当人に特定の行為を要求する環境側からのシグナルであり、われわれの行為を引き起こす働きを持つ目標対象全般を意味しているのである。(抜粋)

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