クリスチアーヌ・ロシュフォール
ジャン=ルイ・ド・ランビュール 『作家の仕事部屋』 より

Reading Journal 2nd

『作家の仕事部屋』 ジャン=ルイ・ド・ランビュール 編
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

クリスチアーヌ・ロシュフォールは、ジャーナリストを経て小説家となった。彼女の仕事場に調和のある環境が必要であり、そのような環境を探し当てるまでに10年かかった。執筆を始めるとそこの十から十六時間も籠城して仕事をつづける。:『作家の仕事部屋』より (Christiane Pochefort) は、ジャーナリストを経て小説家になった。彼女は女性の性欲や性的妄想を率直に語り、伝統的なな女性文学の再検討を迫った。作品は、現代社会のあらゆる疎外形態を告発、追放し、幸福と自由の郷愁を謳いあげている。

仕事の方法

仕事の方法については、もちろん持っている。小説家は誰でも必ず方法をもっている。

私にとってものを書くことは肉体的ななにかであり、食べたりセックスしたりするのと同じように生理的なプロセスのひとつだとさえ言えます。(抜粋)

書くためには、環境が必要です。パニュレのHLMアッシュ・エル・エム(家賃の安い公団住宅)に住んだ時は、ほとんど仕事ができなかった。必要なのは、一種の調和のある町、静かな場所、近代的ではない家、もしくは特別なことのある家、そういうものを探しあてるまで十年かかった。

そして、執筆を始めると十から十六時間仕事をつづけることもあるため

私はまず、籠城の時のような要塞を築くことからはじめます。あぐらをかけるような、そして時々背中を休められるようなベッド(椅子というのはまったく馬鹿げていて、血のめぐりを妨げることおびただしい。あれは西洋の非合理的な産物です)。背後に窓。すぐそばに屑籠がわりの暖炉。自分のまえには小さな机、五百枚入りの原稿用紙二包み、そしてビッグ印のボール―ペンが十本ほど ---- (ビッグは私にとって神聖不可侵ななにかであって、歯ブラシだったら好きなだけ使ってもらって構わないけれど、もしあなたが私のビッグに手を触れたりしたら!・・・・) ----- そえに鎮静剤としての紙巻煙草(一日に一箱半というのが私の喫煙量です)。それから・・・・あとはいっさいの邪魔はお断りです。(抜粋)

厳密な時間割はない。決まった時間に働く給料生活では、書くことはほとんど不可能である。

また、筆一本で暮らせるようになるまでの二十年間を、修道尼のように誰にも会わず、外出もせず、食べ物も最小限に抑えて暮らしてきた。今でも毎日仕事をするように努めている。「散歩をすること」「友達に会うこと」「映画をみること」それ以外の時はずっと家で仕事をしている。

プランに関しては、もしそのようなものがあったら仕事の邪魔になってしまう。最初は小説を書いているかはっきりしないことも多く、書き進んで途中で気づく。

ものを書くことは、私にとって、部屋のなかのハプニングなのです。(抜粋)

コメント

タイトルとURLをコピーしました