ストレス障害発症のきっかけ
福間詳『ストレスの話』より

Reading Journal 2nd

『ストレスの話 メカニズムと対処法』 福間 詳 著
 [Reading Journal 2nd:読書日誌]

事例紹介 ストレス障害発症のきっかけ   事例1 パワハラ   事例2 育児ストレス   事例3 夫婦喧嘩   事例4 エスケープゴート   事例5 セクハラ   事例6 借財   事例7 嫁姑関係

前回で「第Ⅰ部 ストレスとは何か」が終了した。「第Ⅱ部 ストレスにどう対処するか」の前に「事例紹介 ストレス障害発祥のきっかけ」がある。
ここでは、著者の臨床をしていて経験したストレス障害の発症のきっかけについて7つの事例を具体的なストーリーとして紹介している。どれもフィクションであるが、実際の事例を本人が特定できないような形で織り込まれているとのことである。そして7つの事例の順番は、著者のクリニックでの事例が多い順に並んでいる。


ストレス障害が発症するときは、必ず原因となる様々なストレッサーに晒されている。それらのストレッサーが総合的に関与して障害が発症するが、ストレス障害が発症する時は、ある特定のストレッサーが最後のトリガーを引いて発症することになる。

事例1 パワハラ

最初の事例は「パワハラ」である。著者のクリニックで事例が多い順位並んでいるということなので、やっぱりパワハラは多いんですね。
著者は、日本でパワハラ行為そのものを規制する法律がないこと、犯罪として立件が難しく、定義も曖昧な点が問題であるとしている。そして
ボイスレコーダーの活用や、その日に受けたハラスメントの事実と状況、そのときに感じた感情、そのときにどのような考えが浮かんだのかを記録に残すことは大切です。(抜粋)

と具体的なアドバイスをしている。

事例2 育児ストレス

育児ストレスは、多くの母親が抱えている問題であり、核家族が進み母親は孤軍奮闘するしかなく、特に第一子の場合は初めての経験である。このような状態が子どもが保育園や幼稚園に入る四歳ごろまで続くことになる。

事例3 夫婦喧嘩

夫婦喧嘩の大半は、背景にストレスが関連している。夫と妻が互いにストレスにより敏威なっていて衝突を起こすことになる。その意味からするとストレスの伝染病のようなものである。

事例4 エスケープゴート

エスケープゴートは、大きな集団では発生しない。五、六名の小集団で生じやすく、表面化しづらい傾向がある。エスケープゴートは、集団の表面的安定化のために生ずる。その背景として、集団に属する全員のストレスが臨界状態であることを意味する。

事例5 セクハラ

セクハラは男女機会均等法では、「相手が不快に感じる、あるいは就業上の不利益を被る性的な言動」とされる。被害者の対応として「我慢した、特に何もしなかった」というものが多く、潜在的には、かなり多くある。

事例6 借財

借財やギャンブルはそれ自体が逃避行動であり、依存性や習慣性があるものである。多くの場合「借金」は「恥」としてひたすら隠され、最後まで人に相談しにくく、周囲のサポートがないまま一人で悩み続けることになる。問題の解決が困難なものであるため、自殺に直結する恐ろしい問題である。

事例7 嫁姑関係

嫁と姑の関係は、二人の距離感がとりにくく、難しい問題である。ここでの著者の事例では、結局、お嫁さんがパートを始めたことにより二人の関係が改善している。

嫁と姑の心理的距離は微妙な問題です。しかし、ここで紹介したS・Iさんのように、ちょっとしたきっかけで症状が改善に向かうことがあります。(抜粋)

これはきっと、著者のクリニックで実際にあった例なのだと思う

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