[読書日誌]『無気力の心理学 改版 : やりがいの条件』
波多野誼余夫/稲垣佳世子 著 [全13回]

Reading Journal 2nd

[読書日誌]『無気力の心理学 改版 : やりがいの条件』 波多野誼余夫/稲垣佳世子 著 中央公論新社(中公新書)2020年
[Reading Journal 2nd:読書日誌]

まえがき

ネガティブ・マインド』を読み終わった。っで、その「あとがき」を読むと著者は、学生の時に出会った、『知的好奇心』と『無気力の心理学』がその後の研究の方向に大きな影響を与えたと書いてある。そして、その両方とも読んだことがある気がする?本棚をごそごそと探すと『無気力の心理学 改版』があった!
読書後の印象って覚えてないのだが、かなりの名著とみた!早速、再読しようと思う。
(全然覚えてないから、初めて読むのとあまり変わらないんですけどね♪)


今日のところは、「まえがき」である。ここでは、現代の「無気力」を取り巻く状況を説明し、著者は次のようにこの本を書く動機を綴っている。

こうした現象の本質を、より広い視野から理解しようとするのには、動機づけの心理学で最近注目されている、「獲得された無力感」や「効力感」という概念が役立つのではないか、と私たちは考えた。そこで、この概念をめぐる研究成果を紹介しつつ、一方では社会的現実にも目を向け、この両者を往き来しながら「無気力の心理学」を構想してみたのが、本書である。(抜粋)

ここで「獲得された無力感」は、第1章から第3章で紹介される。これは、自分の努力の効果の受け取り方(認知)が意欲に大いに影響する、ということである。

次に「効力感」は、第4章から第6章で紹介される。これは、「努力すれば好ましい変化を達成できる」という考えである。この効力感を自律性の感覚、他者との暖かい交流、熟達や自我機能との関連から解説する。

また、著者たちは、現代人の無気力は、「獲得された無力感」よりも「効力感の欠如」によるものと考え、第7章から第9章では、効力感を伸ばすための教育的、社会的条件を探り、若干の改善を示唆するとしている。

そして最後の第10章では、無力感・効力感の日米の比較を行っている。


関連図書:
坂本真士 著 『ネガティブ・マインド : なぜ「うつ」になる、どう予防する』中央公論新社(中公新書)2019年
波多野誼余夫/稲垣佳世子 著 『知的好奇心』中央公論新社(中公新書)1973年


目次 
まえがき [第1回]
第1章 どんなときに無力感が生じるか [第2回]
第2章 乳幼児の無力感・効力感 [第3回] 
第3章 失敗にもとづく無力感 [第4回]
第4章 自律性の感覚 [第5回]
第5章 他者との暖かいやりとり [第6回]
第6章 熟達と生きがい [第7回]、[第8回]
第7章 効力感を育てるには 「第9回」
第8章 効力感を伸ばす学校教育 [第10回]
第9章 効力感の社会的条件 [第11回]、[第12回]
第10章 無力感・効力感の日米比較 [第13回]

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